親孝行の滝、「養老孝子伝説」が残る岐阜県、養老の滝

親孝行の滝、「養老孝子伝説」が残る岐阜県、養老の滝

岐阜県に日本の滝百選及び養老の滝・菊水泉として名水百選に選定されている滝である、養老の滝があります。
養老の滝には菊水泉にも伝わる古今著聞集に記載されている、滝の水がお酒になったという親孝行の伝説「養老孝子伝説」が伝わっているのです。

養老孝子伝説

昔々、養老の山の麓に源丞内という貧しいが、親を非常に敬い大切にしているきこりが住んでいました。
朝夕なく山道を上り下りして薪を採り、一生懸命年老いた父親を養っていましたが、貧しかった源丞内には父の大好きなお酒まで買う余裕はありませんでした。

ある日、いつものように山に薪を採りにいった源丞内。滝の水を眺めながら、「ああ、あの水が酒であったらなぁ・・・」と思った時、苔むした岩の上で誤って足を滑らせてしまいました。と、その時、どこからともなく酒の香りが漂ってきたのです。不思議に思い、辺りを見回すと、近くの石の間の泉から山吹色の水が湧き出ているのが見つかりました。なんと不思議なことでしょう、本物のお酒が湧き出していたのです。

それもただの酒ではありません。かつて飲んだことのないほど霊妙な味わいの美酒が湧き出していたのです。

はじめは夢かと思った源丞内も、大喜びで「あら、ありがたや、天から授かったこの酒」と瓢(ひさご)に汲んで帰り、父に飲ませました。半信半疑の父は、一口飲んでは驚き、二口飲んで額を叩き、三口飲んでは手を打って大喜びしました。親子の「おめでたい、おめでたいことだ」と喜び笑い合う声は村中の評判となり、やがては遠く奈良の都まで知れ渡りました。

当時の天皇である元正天皇は滝の水をご覧になるため、わざわざこの地まで足を運び、これは源丞内の親を思う気持ちを天地の神がお褒めになったのだとおっしゃいました。
そしてその水をお持ち帰りになり、都の人々にも飲ませられて、このめでたい年を記念して、年号を「養老」と改めたのでした。

万葉集に歌われる養老の滝

古ゆ人の 言ひ来(け)る老人の
変若(を)つといふ 水そ名に負う 滝の瀬

 ※万葉集 巻六 1034 大伴宿禰東人

養老の滝には孝子伝説とは別に若返る、または痛みなどが取れるというもあります。
この歌はそのことを歌った万葉歌です。       

写真:養老の滝
By Kikuhiko MizusakiCC 表示-継承 3.0

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